古事記朗読。天邪鬼の起源であるアメノサグメは占いの神様。悪のように言われているが・・・日本神話解説１７

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前回はアマテラスが葦原の中つ国は、和多志の息子アメノオシホミミが
治める国です。といいだして、息子を無理やり行かせるも
ニートのアメノオシホミミは、地上の怖そうな神を見て
行きたくないーと帰ってきて、なんとか行かせるために
八百万の神を集めて会議を行い
地上の神をおとなしくさせるために、屈強な神を派遣しました。

しかし一人はオオクニヌシに懐柔されて、出雲に住み着いて音沙汰なし
二人目のアメノワカヒコには、羽のついた矢を持たせて
地上に送り込みましたが

アメノワカヒコも、オオクニヌシの娘を嫁にもらい
出雲に住み着いて８年が過ぎました。
アメノワカヒコは、このまま日本は俺がもらうと
野心まで芽生えていたのです。

高天原では、アマテラスがしびれをきらせてタカミムスビに
相談し、また八百万の神が招集させられました。

「アメノワカヒコから連絡がきません。今度はどの神を
使わしたら良いでしょう。」

オモイカネノカミがいいます。
「鳴き女というキジを遣わせたらいいでしょう。」

そこでアマテラスは鳴き女にこう言いました。

「アメノワカヒコにこう言いなさい。
お前を葦原の水穂の国の国に派遣した理由は
地上の乱暴な神々をおとなしくさせるため。
なぜおまえは、８年もなにも連絡してこないのか？
」と

こうしてキジは地上のアメノワカヒコのもとに飛んでいきました。

アメノワカヒコの家の門の桂の木の枝にとまり
アマテラスの言葉通り叫びました。

鬼滅の刃の伝令のカラスみたいな感じですね。

ここからけっこう恐ろしいんですけど
家の侍女のアメノサグメがこの伝令を聞いたんですが

主人のアメノワカヒコには、
「とても気持ち悪い鳴き方をする鳥がいます。
矢で射殺してください・・・」

こう告げたのです。

アメノワカヒコは天から授かった矢で、キジを射殺してしまったのです。

その矢は、キジを貫通してそのまま天まで飛んでいきました。

そして、アマテラスとタカミムスビのところに届きました。

矢には血がついていました。

タカミムスビは、この血が地上の乱暴な神のものなら
アメノワカヒコに当たるな
もしこれが謀反からキジを射殺したものなら
アメノワカヒコに当たる。

といって矢を地上に放ちました。

朝、アメノワカヒコは寝ていましたが、その矢が胸に刺さり
死んでしまいました。

こんなわけで、キジがいったきり帰ってこなかったので
キジの行ったきりの使い　という諺になりました。

続く。

ツッコミどころ満載のエピソードですが
出てくる神様が何の神様か見ていくといろいろ見えてきます。

今回、ものすごい悪人呼ばわりされて天の邪鬼の起源といわれている
侍女のアメノサグメですが

アメノサグメは、占いの神様なんですよ。

侍女といわれていますが、ばあやとかのほうが
しっくりきますね。

オオクニヌシの娘の家でもあるので、巫女のまとめやくみたいな
ばあやがいてもおかしくありません。

それに裏切り者とか言われていますが
アメノサグメは出雲の国の住人なので、
高天原の伝令については不吉なものと思うのが当然です。

だから出雲の国にとっては天の邪鬼どころか
有能な占いばあやといえるでしょう。

アメノワカヒコは穀物神です。

名前も天若日子と日つまり太陽が入っていますので

結局はアメノワカヒコの激動の人生は

稲作の終わりの冬と再生の春を表しています。

次回以降にもこの思想は続きます。

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古事記朗読。天邪鬼の起源であるアメノサグメは占いの神様。悪のように言われているが・・・日本神話解説１７

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